名前の由来

 しいたけは、季節にあまり関係なく発生することから「四季茸」と言われることもあり、この言葉が訛って「しいたけ」になったという説もありますが、一般的には、椎の枯れ木に発生しているところから「しいたけ」の名前がついたとされてます。
 しかし、現在では、しいたけ栽培に用いられる樹木はタヌギやナラが主体で、椎の木はほとんど使われていません。これは椎の木に比べ品質の良いしいたけが多く採れるためです。
 なお、しいたけの学名はLentinula edodes (レンティヌラ エドデス)といいます。edodes 「江戸の」という意味で、1875年にイギリスの調査隊が東京でしいたけを手に入れ、持ち帰ったことからこのような学名がつけられています。

        栽培の始まり
                

 しいたけの栽培は、350年〜400年ほど前の江戸時代前期に始まったと言われています。豊後国(現大分県)で炭焼きをしていた源兵衛さんが、炭焼きの残材に多数のしいたけが発生しているのを見つけ、栽培を思いついたとされています。
 その方法は、タヌギなどの原木に鉈で傷をつけ(鉈目という)、自然界に浮遊しているしいたけ胞子が鉈目に付着するのを待つという極めて原始的な方法ですが、人工的に種菌を植えつける方法が開発される50年〜60年ほど前まで、この鉈目方法によるしいたけ栽培が行われていました。
 

        原木栽培と菌床栽培の違い

           

 しいたけ栽培は、原木栽培と菌床栽培の2種類の方法によって行われています。
 原木栽培はコナラやクヌギなどの原木にしいたけ菌(純粋培養された菌)を植菌(しょっきん)し、管理は人工栽培や自然栽培で行います。 発生は原木内の養分(無添加)でしいたけを発生させます。
 菌床栽培はオガクズに栄養体を混ぜしいたけ菌を接種し、菌の力で固めたものを菌床と言い発生管理は100%人工的に行います。
 原木栽培は、より自然に近い方法によって行っていることから、収量、品質などが天候に左右されやすいのが欠点となっています。一方、菌床栽培は施設を利用していることから安定的な生産を行うことができます。

 
原木しいたけ 菌床しいたけ
原木栽培 菌床栽培

        しいたけの産地

 しいたけは栽培技術の普及にともない、今までは全国的に生産されています。
 生しいたけは、かっては大消費地に近い群馬県、茨城県、栃木県などでしたが、輸送手段の発達などにより、最近では、岩手県、北海道も大きな生産地となっています。